父をみているとそう思う↓
長生きは決して幸せではないと思う
「いつまでも生きていてほしい」という願いは、残念だが年月とともに「いつまで生きるの」という嘆きに変わる。長生きはきれいごとではないのだ。老老介護の現場や老人ホームを訪問するたびに、わたしは痛感する。
人により差はあるが、85歳は、本来の自分を維持できる、ぎりぎりの年齢ではないだろうか。頭も姿もその人自身を保てる年齢。それが85歳というのがわたしの考え方だ。
ほどよい年齢で死ねる。こんな幸せなことはない。友人の中にも「父にもっと長生きしてほしかったわ」と残念がる人がいるが、それは、ほどよいところで亡くなってくれたから出る言葉で、寝たきりの父親を在宅介護していたら言える言葉ではないように思う。