ダンナが自分の運命を悟ったとき
それは手術が終わって
リハビリ病院に移動してからだと思ってる
意識がだんだんはっきりしてきて
自分に何の身に何が起きたか理解してきて
前みたいに体が動かなくなって
しまったこと
体が半身マヒしてしまったこと
言葉が出ないこと
目が前のように機能しないこと
リハビリ病院に面会に行ったとき
あたしの手をギュッと握って
切なそうにしていた
テイッシュを細く丸めて
それをあたしの指に巻いたり
荷物を持つ仕草をしたりしていた
それは元気なときあたしに
指輪をはめてくれたりしていたこと
買い物に行ったときに
重いものを持ってくれていたこと
それがもう出来なくなってしまった、
ごめんねと
そういう風に語りかけた意味だったと
今は思ってる
そしてその後ダンナは諦めたんだよな
自分で努力することを❗️
しても動けないし話せないし❗️
もうやってもそれ以上良くならないって
悟ったんだ
諦めたっていうか・・・
あの頃週に何度もリハビリ病院に
面会に通っていた
ダンナが倒れたことは
うちにとっては大きな出来事なはずなのに
まだ何が起こったのか
よく理解できてなかった所もあった
いや、理解したくなかったのが本音かも
しれない
少しはまだ希望があったんだよ
絶望を見ないように
していたのかもだけどさ
今は絶望しか見えなくなってしまった
疲れた
辛い
悲しい
でもそれでもあんたの笑顔をみると
たまらなく愛おしくなるときもある
まだイケるかな
まだがんばれるかなとか・・・
その魔法もおそらくそのうち終わるのかも
しれない