時が流れる
普段は聞こえない時計の秒針の音が
まけに大きく聞こえる時がある
嫌でも時の流れは止められない
さらさらと流れていくこの時間を
止めることは出来ない
言いたいことはたくさんある
でもそれを言ったところで
流れは変えられない
やっぱりダンナはあたしたち家族のことを
もう理解してないんだよね
それはオンライン面会の度に
感じている
あたしらは
見知った顔の誰かさんという認識しかなあ
妻という立場からしたら
これは結構衝撃なんだよなあ
その事実に打ち勝てるほど
あたしは強くない
よく小説とかに出てくるけど
ダンナに不満があって
優しくしてくれた男に走っていく妻
あの気持ちが
どこかあたしのココロノ中にある
それをあたしは
書き物の世界で消化してるけど
そんな人がいたら間違いなく
そちらになびく気がする
人は弱いものだよ
一生一人の人だけずっと愛していけるなんて
それこそ二次元の世界でしかない
結婚なんて
ススじゃないけど
もれなく介護がついてくるから
もうしたくない
でも心ときめかせて誰かを
好きになっていくのは仕方ないかな
結局お金なんだよね
介護の費用
これによって気持ちは変わっていくよ
介護でどれだけ散財してんのよ
それは父も同じ
長生きした分、介護費で多くのお金を
失くしてしまった
介護費の多大なる出費で
生活を切り詰めて暮らしているあたしら
切り詰めるところは
食費しかないよな
自分等の生活が介護費で危ないのに
それでも相手にまっすぐに
愛情を届けられるほど
こちらは人間の出来てない
綺麗事なんだよな
それでも夫をあいしてますとかさ
介護費から解放されるのは
ダンナが死んだ時
死んでは欲しくないけど
こちらも人間らしく生きたい
物の値段も高騰してるし
他のことも厳しい状況になっているし
それでも好きとか甘いんだよ
ダンナの笑顔を見るのは好きだけど
介護者にも生活がある
この気持ちを書き物の中で
登場人物に恋することで
すり替えて生きていくくらいしたあよな
誰にも迷惑かけてないしな
苦しくてもけなげに生きようとしている
自分に
疲れた
疲れたんだよ
それだけ!