気持ちが落ちる
結局ダンナが話せないのは
本人の努力が足りないというのも
あるのではないのかな
自分からヤル気がないと
治るものも治らない
違うのだろうか
高次脳機能障害だから
そんな考えもないのかもしれないけどさ
でもダンナは
昔からそういう
歯科の治療の時、
歯の型どりの
ビンクの冷たい粘度みたいなものを
口に詰められると
嫌な顔して自分で取り出してしまう
普通の大人だったら
そんな行為なんて絶対にしないはず
それをやってしまうということが
ああ、この人は高次脳なんだなあと
衝撃を受ける
もうそういうことが
わからないんだなあとね
前のダンナではない
それがわかった時は衝撃を受けるよ
指にはめた結婚指輪を
嬉しそうに太陽にかざして
見ていたこともあるしね
その顔は大人の顔ではなかった
子供そのものだった
そんなこと全てがもう耐えきれない
〃死が二人をひとつに戻す〃
なかなかいい言葉
やっとひとつになれたね
そんな感じなのかな